ニュースレターNo.44(2025年12月発行)
今年も残すところあとわずかとなりました。急に寒さが厳しくなりましたが,みなさま,お元気で採集や研究活動に精を出されていますでしょうか?
さて,恒例の2月の地学研究発表会を実施したいと思います.今回は,公共交通で集まりやすい草津駅前で開催しますので,たくさんのご参加をお待ちしています.第40回 地学研究発表会のご案内
今回の研究発表会は,草津駅前のキラリエ草津で開催いたします.
発表会の要領は以下のとおりです.
多数のご参加とご発表をお待ちしております.
◆日 時:2026年2月15日(日)
午後1時30分~5時00分(予定)
◆場 所:キラリエ草津 401 会議室
◆講演の申込み・講演要旨の締切:2026年2月1日(日)
*演題の申込み方法,講演要旨の書き方は,下記をご覧ください.
今年度も演題と講演要旨の申込みは,同時に行います.
*その他:当日に紹介したい本や資料がありましたら,ご持参ください.
最近の調査状況や今後の研究に向けて,以前調査した内容のその後など,未公表の調査結果を、ぜひ発表してください.
*懇親会:現在未定です.社会情勢をみて決めたいと思います。.
◆発表会のプログラム・講演時間
詳細は,次号のニュースでお知らせします.
研究発表会の発表について
1)発表方法は,口頭発表でお願いします.
2)使用できる機材は,コンピュータ(Windows)と液晶プロジェクターです.
たくさんのメモリーを使用する画像を入れたファイルやマッキントッシュのコンピュータを使用される方はご持参ください.
3) その他の方法を希望される方はご相談ください.
4) 発表時間は,一演題15~20分程度です.正式な時間は,次のニュースレターでプログラムをお知らせします.ご希望の時間がある場合は,ご連絡ください.
講演要旨の書き方・講演の申込み方法
当日参加者に配布する講演要旨原稿を以下の要領で作成して,2月1日(日)までに送付してください.そのまま印刷いたしますので,ご注意ください.講演要旨の到着をもって,講演の申込みとさせていただきます.
*MS-Wordファイル,または,テキストファイルをお送りいただけると,助かります.
講演要旨の送り先・方法
【送り先】
〒525-0001 草津市下物町1091 琵琶湖博物館 地学研究室あて
Fax: 077-568-4850, E-mail: chigaku○biwahaku.jp(○を@にしてください)
【方法】
郵送,ファックス,メール,どの方法でも結構です.
【要旨作成の例】

気になる本
●琵琶湖博物館研究調査報告第38号
『東アジアの古代湖「琵琶湖」の固有種成立過程』
高橋啓一・田畑諒一 編, 滋賀県立琵琶湖博物館(2025年、164pp)
2018~2022年度にかけて,高橋名誉館長が代表で実施してきた科学研究費基盤研究(B)「東アジアの古代湖『琵琶湖』の固有種成立過程の解明のための総合的研究」に関連してまとめられた研究調査報告です.古地理班,植生史・古気候班,陸上大型動物班,水棲生物班の4つの班で進めてきた,古琵琶湖層群やそれ以降の地層や化石からの情報,琵琶湖の現生淡水生物や湖岸の植物などを対象にした総合的な研究成果がまとめられています.琵琶湖の地形や気候,植物,動物の変遷に関する10編の論文が掲載されており,今後の古琵琶湖層群の研究の基礎となる成果なので必見です.琵琶湖博物館のJ-STAGEホームページ(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/rrlbm/list/-char/ja)から無料でPDFがダウンロードできます.(林 竜馬)
●琵琶湖博物館研究調査報告第37号
『森と人の関係史 ―人は森をどう利用してきたのか』
妹尾裕介 編, 滋賀県立琵琶湖博物館(2024年、127pp)
琵琶湖博物館で実施した「森と人の関係の歴史的変遷と今につづく森と人の関係の形成過程の解明」に関するふたつの共同研究の成果をまとめた論文集です.琵琶湖地域における時代ごとの森林資源はどの程度のものであったのか,人による資源利用がどの程度影響を与えるものなのか,森と人はどんな関係を築いてきたのか?それらを解明するため,過去の物質文化(考古学),組織と振る舞い(民俗学),自然の応答(生態学)といった複数の視点から,森と人の関係についてまとめられています.こちらも、琵琶湖博物館のJ-STAGEホームページ(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/rrlbm/37/0/_contents/-char/ja)から無料でPDFがダウンロードできます.(林 竜馬)
●『超巨大噴火の地球科学 – 大量珪長質マグマの成因とマグマシステム』
高橋正樹 著 東京大学出版会(2025年、383pp、ISBN978-4-13-060772-8)
火山大国である日本は、近年でも九州南部などに見られるように、時々やや規模の大きな噴火活動が見られる。このような噴火活動においても、日本列島付近においては小規模な噴火と評価されるほどに、地質学時間スケールでは、噴出した火山灰などの火砕物が列島の広い範囲を覆うような超大規模な火山噴火が行われてきたことが知られている。本書は、そのような超巨大噴火の噴火活動や地下のマグマ溜まり、マグマの成因などについて、長年この分野の研究を行って来た著者の研究者目線で現時点でのまとめとしての位置づけともいえる。(里口保文)
●『化石が語る植物の進化 5億年史』
矢部 淳 著者 丸善出版(2025年、180pp、ISBN978-4-621-31177-6)
地球環境の危機を取り上げたドキュメンターを目にするたびに,地球の生命を支えてきたのは植物であると認識させられます。この本では,植物が上陸した5億年前という気の遠くなるような時間軸で,植物の歴史が紹介されています。陸上植物は水中を脱出し,幹を持ち,種を獲得し,花を咲かせるという植物の大きな変化や進化について,化石証拠から解説しています。植物の化石は動物に比べて人気がない(と思っている)が,ここで取り上げられている化石は教科書で見たことがある,聞いたことがある有名な化石である。また,時代や気候,動物との関係ともに,植物が変化をしてきたことを大きく捉えることができます。高校生や大学生の方にもぜひ読んでほしい,入門書の一冊です。(山川千代美)
●『ジュラシック水族館へようこそ 日本の化石からわかる海の古代生物』
中島保寿 著 化学同人(2025年、227pp、ISBN978-4-7598-2177-2)
日本各地で調査を行う著者による海に住んでいた古生物の様子を語る一冊です。古脊椎動物というと、海外の立派な化石やその研究成果を見聞きすることが多いかと思います。しかし本書の著者は、日本各地で中生代の脊椎動物化石を発見しながら、当時の日本の海の様子を明らかにしようとしています。東北地方の化石を中心に、当時の海に生息していた魚竜類や首長竜類の化石を調べることで、それらがどのような暮らしをしていたのか解説しています。また、実際に調査をするためにどんな準備をしているのか、野外に出たらどのような作業をして、その後どうやって研究を進めているのか、著者の体験から紹介しています。加えて本書の扉絵には、古生代から新生代までの日本の海の古生物たちが水族館仕立てで掲載されており、眺めていても楽しい一冊です。(半田直人)
県内の博物館情報
『みなくち博士の日本の化石大集合!』
開催期間:2025年12月24日〜2026年2月1日
展示場所:みなくち子どもの森自然館
〒528-0051 滋賀県甲賀市水口町北内貴10
内 容:日本全国から集まった500点以上の化石が展示されます。
・休園日:12/29〜1/3、1/5・13・19・21(13時以降)・26
・URL https://www.city.koka.lg.jp/kodomonomori/
インスタグラム https://www.instagram.com/minakuchi_kodomonomori/
『関西自然保護機構シンポジウム
「花の百名山伊吹山草原の多様性回復をめざして-研究者、市民、行政との連携-」』
地域の魅力の再発見 連続講座
「花の百名山伊吹山草原の多様性回復をめざして-研究者、市民、行政との連携-」
編集後記:2025年には、里口学芸員が「日本列島における後期鮮新世~中期更新世広域火山灰の層序確立に関する一連の研究」に対して、日本第四紀学会学術賞を受賞するという大変うれしいニュースがありました。里口さんのこれまでの研究成果が大きく評価されたことは、地学研究会のみなさんも実践している、地域のフィールドワークを基礎とした研究の重要性が認められたとも言えると思います。私(林)の書いた拙文も同時に論文賞をいただくこととなり、琵琶湖博物館でのダブル受賞という形で花をそえることができました。受賞内容を紹介させていただいた10月の研究会にもお集まりいただき、ありがとうございました。来年も、地域の魅力を掘り起こす「もぐら」フィールドワークを大事にしていきたいと思います。来年もみなさんにとって良い年になりますように、どうか年末年始ご自愛ください。次回の地学研究発表会は、草津駅前で開催することになりましたので、多くの方々とお会いできるのを楽しみにしております。夜の部も企画しますので、お楽しみに(林)。

