ニューズレター No.35 (2017年12月発行)
寒さが厳しいこのごろみなさんお元気でしょうか?
恒例となりました地学研究発表会の募集をいたします.1年間の調査や研究の成果,
これまでのまとめなどお気軽に発表してください.
第33回 地学研究発表会のご案内
冬の研究発表会は滋賀大学と共催で,例年どおり開催いたします.
今年の開催日は前年に続いてやや遅めです.
発表会の要領は以下のとおりです.
多数のご参加とご発表をお待ちしております.
◆日 時:2018年2月18日(日)
午後1時30分~5時30分
(発表数によっては開始時間等の変更があるかもしれません)
◆場 所:滋賀大学大津サテライトプラザ
(JR大津駅前 日本生命大津ビル4階:大津市末広町1-1)
◆講演の申込み・講演要旨の締切:2018年2月2日(金)
*演題の申込み方法,講演要旨の書き方は,次のページをご覧ください.
今年度も演題と講演要旨の申込みは,同時に行います.
*その他:当日に紹介したい本や資料がありましたら,ご持参ください.
最近の調査状況や今後の研究に向けて,
以前調査した内容のその後など,
未公表の調査結果を、ぜひ発表してください。
【懇親会】研究発表会終了後に、大津駅前で懇親会を予定しておりますので,
こちらも是非ご参加ください.
*発表会のプログラムや講演時間などの詳細は,
次号のニュースでお知らせします.
- 研究発表会の発表について
- 発表方法は,口頭発表でお願いします.
- 使用できる機材は,コンピュータ(ウインドウズ)と液晶プロジェクターです.たくさんのメモリーを使用する画像を入れたファイルやマッキントッシュのコンピュータを使用される方はご持参ください.
- その他の方法を希望される方はご相談ください.
- 発表時間は,一演題15~20分程度です.正式な時間は,次のニュースレターでプログラムをお知らせします.ご希望の時間がある場合は,ご連絡ください.
- 講演要旨の書き方・講演の申込み方法
当日参加者に配布する講演要旨原稿を以下の要領で作成して,2月2日(金)までに送付してください.そのまま印刷いたしますので,ご注意ください.講演要旨の到着をもって,講演の申込みとさせていただきます.
- 講演要旨の送り先・方法
【送り先】〒525-0001 草津市下物町1091 琵琶湖博物館 地学研究室あて
Fax: 077-568-4850 E-mail: chigaku@biwahaku.jp
(*注意!:メールアドレスが変わりました)
【方法】郵送,ファックス,メールのどの方法でも結構です.

お知らせ
●多賀町古代ゾウ発掘プロジェクト 第五次発掘調査無事終了
2013年にアケボノゾウ発掘20周年から多賀町立博物館が事務局となって行っている発掘調査は、2017年9月に第五次発掘が行われ、無事終了しました。びわ湖放送「知ったかぶりカイツブリにゅーす」11月16日放送にて紹介されました。YouTubeでもみることができます。 (里口保文)
気になる本
●BLUE BACKS「人類と気候の10万年史」中川 毅 著 講談社 920円(+税)
琵琶湖や水月湖の堆積物の花粉化石に基づく気候復元について、精緻な研究をつづけてきた第一人者による一般書。 近年になって次々に明らかになってきている過去の気候変動について、その研究の最前線をわかりやすく解説されています。例えば、わずか数年で7度もの急激な温暖化がおこったことや、異常気象が続く不安定な気候の存在など、現代的な温暖化問題を考える上でも興味深い内容も多く取り入れられています。個人的には、第2章での不安定な気候変動のメカニズムについて、色の変化する200個のボールの現象から説明を試みている点に、著者の柔軟で徹底的な思考の片鱗が見えておもしろく読みました。最新の古気候変動の研究成果に興味のある方は、ぜひ一読すべき良書です。 著者の近年の最も有名な成果である水月湖での年縞堆積物研究についても、岩波科学ライブラリー「時を刻む湖」とあわせて読むと、その世界的な重要性がよく理解できると思います。(林 竜馬)
●BLUE BACKS「地球はなぜ「水の惑星」なのか」唐戸俊一郎 著 講談社 1,000円(+税)
タイトルからすれば、地球環境の現在の水環境を紹介している著書と思うかもしれませんが、地球の表層部分の水循環の話ではなく、地球内部(マントルや核)も含めた水の循環、役割、分布場所などを対象にし、またその起源についても紹介しています。太陽系には地球だけに液体として水が存在していますが、それはいったいどこからきたのか?また、水の存在がプレートテクトニクスへ関与しているらしいことなど、最新の研究成果を踏まえて、また、現在の考えにいたるまでの研究史も交えて紹介しています。内容的にはやや難しい部類にはいるかもしれませんが、惑星地球の特性を理解するための、最新の成果に触れることができる著書であると思います。 (里口保文)
県内の博物館情報
●琵琶湖博物館
ネットページ: https://www.biwahaku.jp/
新琵琶湖学セミナー
- 日時:2018年1月28日(第一回)、2月25日(第二回)、3月24日(第三回)、13:30〜16:00
- 内容:琵琶湖博物館ブックレットの発行を記念して、関連したセミナーを3回(1/28、2/25、3/24、)に分けて行います。第一回目(1月28日)は、【太古の世界を探るさまざまな研究】をテーマに、高橋啓一さん「ゾウがいた、ワニもいた琵琶湖のほとり」、百原新さん(千葉大学)「琵琶湖のほとりの太古の森を復元する」です。是非ご参加ください。
- 申し込み:「しがネット受付サービス」(https://s-kantan.com/pref-shiga-u/、「琵琶湖博物館」で検索)か、往復はがきでお願いします。
A展示室「地域の人々による展示コーナー」
みなさんが採集した標本を皆さん自身で展示をするコーナーです。(だいたい半年毎に更新)
- 期間2017年10月1日〜2018年1月31日
- 内容:谷脇俊之さんによる「思い出の鉱物採取」(田上山の鉱物)を行っています。
図書室などのリニューアル
琵琶湖博物館は、三期に分けたリニューアルを行っています。2018年中に第二期目リニューアルオープンを行う予定で、現在工事中です。今回は、図書室やディスカバリールーム、屋外展示、レストラン・ショップなどがリニューアルします。図書室は「おとなのディスカバリー」という全分野の標本室のような感じの展示室になる予定です。屋外展示には、琵琶湖へ近づいた展望場所や樹冠トレイルができます。オープンの日は、今後ホームページ等で公表されます。なお、地学関連の展示があるA展示室は、予定では数年後にリニューアル(第三期)を行う予定です。
来年の企画展示
来年の企画展示は、山川さん担当による植物化石、とくに化石林(化石樹)にスポットを当てた展示を検討中です。
ホームページのアドレス(URL)、メールアドレスが変わりました
2017年11月からアドレスが変わりました。現在、ページの再構成・移行中です。メールアドレスも変わりましたのでご周知ください。
●みなくち子どもの森自然館
ネットページ https://www.city.koka.lg.jp/kodomonomori/
特別展「地球のおくりもの2 〜いにしえの鉱山をたずねて〜」
- 期間:2017年12月19日(火)〜2018年3月4日(日)
- 場所:みなくち子どもの森自然館 特別展会場
- 内容:甲賀市在住福井龍幸さんのコレクションから、甲賀地域の鉱山の鉱石の標本を展示します。また、日本鉱物科学会が選定した日本の国石である「ひすい」や滋賀県の鉱物「トパーズ」など、いろいろな鉱物もご覧ください。
- 解説イベント:12/24(日)「甲賀地域の鉱山」、1/21(日)「水晶やトパーズ」
2/18(日)「珍石・奇石」(いずれも展示者の福井さんによる)
●多賀町立博物館
ネットページ https://www.town.taga.lg.jp/akebono/museum/
「干支にまつわるエトセトラ(戌)」
- ・期間:平成30年1月6日(土)~1月28日(日)
- 場所:あけぼのパーク多賀 ホール・ギャラリー
- 内容:2018年の干支に合わせて、戌にまつわる展示を行います。同時期に年賀状展も行います。
編集後記:今年は、琵琶湖博物館のインターネットページのアドレスが変わりました。その関係で、地学研究発表会のページも現在は閉鎖していますが、いずれ再開したいと思います。1998年2月から始めた地学研究発表会は今回で20周年にあたります。今後も続けていきたいと思いますので、ご参加と発表、情報交換など今後ともよろしくお願いします。2月にお会いしましょう。