ニューズレター No.34 (2018年12月発行)

2016年12月20日

 寒さが厳しいこのごろみなさんお元気でしょうか?恒例となりました地学研究発表会の募集をいたします.1 年間の調査や研究の成果, これまでのまとめなどお気軽に発表してください. 


第32回 地学研究発表会のご案内 冬の研究発表会は滋賀大学と共催で,例年どおり開催いたします. 今年の開催日は前年に続いてやや遅めです. 発表会の要領は以下のとおりです. 多数のご参加とご発表をお待ちしております.

◆日 時:2017 年 2 月 18 日(土)
午後 1 時 30 分~5 時 30 分(予定)
◆場 所:滋賀大学大津サテライトプラザ
(JR 大津駅前 日本生命大津ビル4階:大津市末広町 1-1)

◆講演の申込み・講演要旨の締切:2016 年 2 月 3 日(金)

*演題の申込み方法,講演要旨の書き方は,次のページをご覧ください. 今年度も演題と講演要旨の申込みは,同時に行います. *その他:当日に紹介したい本や資料がありましたら,ご持参ください. 最近の調査状況や今後の研究に向けて, 以前調査した内容のその後など, 未公表の調査結果を、ぜひ発表してください。

【懇親会】研究発表会終了後に、大津駅前で懇親会を予定しておりますので, こちらも是非ご参加ください.

*発表会のプログラムや講演時間などの詳細は, 次号のニュースでお知らせします.


●研究発表会の発表について

  1. 発表方法は,口頭発表でお願いします. 
  2. 使用できる機材は,コンピューター(ウインドウズ)と液晶プロジェクターです.たくさんのメモリーを使用する画像を入れたファイルやマッキントッシュのコンピュータを使用される方はご持参ください.
  3. その他の方法を希望される方はご相談ください.
  4. 発表時間は,一演題 15~20 分程度です.正式な時間は,次のニュースレターでプログラムをお知らせします.ご希望の時間がある場合は,ご連絡ください. 

 ●講演要旨の書き方・講演の申込み方法

 当日参加者に配布する講演要旨原稿を以下の要領で作成して,2月 3 日(金)までに送 付してください.そのまま印刷いたしますので,ご注意ください.講演要旨の到着をもっ て,講演の申込みとさせていただきます.

●講演要旨の送り先・方法

【送り先】〒525-0001 草津市下物町 1091 琵琶湖博物館地学研究室あて Fax: 077-568-4850 E-mail: chigaku@lbm.go.jp

【方法】郵送,ファックス,メールのどの方法でも結構です. 

【要旨作成の例】


お知らせ

●県の石と日本の石

日本地質学会は,一般の方に地質のことをもっと身近に感じてもらおうという事業の一つとして, 「県の石」の選定を行い,2016 年 5 月 10 日に発表を行いました.滋賀県については,鉱物部門で 「トパーズ」,岩石部門で「湖東流紋岩(類)」,化石部門で「古琵琶湖層群の足跡化石」が選ばれ ました.滋賀県では他にも候補がありましたが,他の地域との関係や,滋賀県らしいという部分が 選定の基準になったようでした. 

また日本鉱物科学会は,これに合わせてかわかりませんが,社団法人になった記念事業として日 本の石(国石)の選定を行いました.9 月に行われた総会で「ひすい(ひすい輝石・ひすい輝石岩)」 が選ばれたそうです. (里口保文) 


追悼

●中沢和雄さん,松岡長一郎先生の思い出

岡村喜明(滋賀県足跡化石研究会) 

平成 28 年は,あのお元気な中沢和雄さんと松岡長一郎先生のおふたりと相次いでお別れした悲 しい年であった.文化文政の頃,木内石亭が湖国だけにとどまらず,国内の石を集め「雲根志」に

まとめたことを知らない同好はいない.しかし,この江戸時代からの石亭の遺伝子を継いで「石」 に精魂を傾けた人物はそれほど多くはない.その希少な中のおふたりが中沢さんであり,松岡先生 である.私が起ちあげた草津地学同好会の会誌,第 5 号(1979)に中沢さんはお得意の「花崗岩ペ グマタイト晶洞産水晶について」解説されている.松岡先生もやはり同号で「鮎河層群産鰭脚類化 石」と題して土山町から発見された 1 個の距骨化石についてわかりやすく解説していただいている. もちろんこれだけではない.両氏には計り知れない化石や鉱物についての多大な知識を授けていた だいた.お話しだけでなくわかりやすく書かれた多くの出版物を通じても.

あとに残ったわれわれ石を愛する弟子たちは,石亭から現代へ脈々と受け継がれてきたこの途を 断ち切ることがないように後世に引き継いでいくことが,今は亡き中沢和雄さんと松岡長一郎先生 の生前のご指導に対するお礼であろうと考える.おふたりのご冥福を心からお祈りする.


●鈴木一久さん

 里口保文(琵琶湖博物館) 

堆積学者の鈴木さんが今年なくなられました.はしかけグループ古琵琶湖発掘調査隊の勉強会で,河川堆積物とその環境を観察する巡検を計画していた矢先でした.琵琶湖博物館の共同研究では, 古琵琶湖層群最下部の堆積環境調査を,一緒に行っていただきました.現世の河川堆積物の調査を 精力的に進めてこられました.野洲川の現世堆積物の研究は,地団研専報 48 号にまとめられ,そ のはぎ取り資料は琵琶湖博物館に寄贈していただいています.ご冥福をお祈りいたします.

*2014 年になくなられた木村一郎さんの追悼文(長朔男さんによる)は,「琵琶博だより」第 21 号に掲載されています.琵琶湖博物館のインターネットページで見ることができます.


気になる本

●琵琶湖博物館ブックレット1「ゾウがいた、ワニもいた琵琶湖のほとり」

高橋啓一 著 サンライズ出版 1,500 円(+税)

琵琶湖博物館が,地元の出版社であるサンライズ出版と新たに発刊したシリーズ本の第一回です.高橋さんがこれまで行ってきた古琵琶湖層群の大型動物化石の研究を中心に,過去にいた動物の 姿やその場所の環境について,現在知られている最新の研究成果を踏まえて書かれています.たと えば,これまで発見されている化石の紹介の他にも,最新の化石研究法の一つである X 線 CT 装置 を使った方法などの解説も行われています.文章のわかりやすさと同時に,この本では写真や図などが多用されています.ほぼ半分に相当するページが美しい写真や図で占められていることから,それらをみるだけでも興味を引かれることでしょう. このブックレットは,琵琶湖博物館やそこに関わる人々の研究成果をもとに,高度な内容をわかりやすく伝えることを目的に,今後も発行されていく予定です.これまでには,本書と「湖と川の 寄生虫たち(浦部美佐子 著),「イタチムシの世界をのぞいてみよう(鈴木隆仁 著)」の3種が発 行されています.琵琶湖地域はまだまだ謎に包まれている部分が多いので,この機会に是非お手に とってみてください.(里口保文) 


県内の博物館情報

●琵琶湖博物館

「C展示室と水族展示のリニューアル」

琵琶湖博物館は,今年で 20 周年を迎えました.これまで多くの方に支援いただき,ここまで運営することができ,ありがとうございました.これからもどうかよろしくお願いします.その 20 周年にあたる今年は,リニューアルの第一弾として,近年の人の暮らしや環境とその変化を紹介す るC展示室と淡水の生き物を紹介する水族展示のリニューアルが行われました.地学関連の展示が あるA展示室は,予定では数年後にリニューアルを行う予定です.

「地域の人々による展示コーナー」

琵琶湖博物館のA展示室(琵琶湖の生い立ち展示)では,みなさんが採集した標本を皆さん自身 で展示をするコーナーを設けています.現在は,北田稔さんによる「ワニがいた!ゾウもいた!400 万年前の伊賀」(伊賀盆地の化石の展示)を行っています.ネットページ: https://www.lbm.go.jp/

●多賀町立博物館 「酉年のトピック展」

多賀町立博物館では,2017 年の干支に合わせて,鳥にまつわる展示を行います.展示では,厳 選した本剥製とそれらの生態に関する説明や,民俗や歴史など鳥にまつわる事柄を紹介します.ま た,同時開催として「年賀状展」も行っています.

期間:平成 29 年 1 月 7 日(土)~1 月 22 日(日) 場所:あけぼのパークたが ホール・ギャラリー ネットページ https://www.town.taga.lg.jp/akebono/museum/


編集後記:丙申年は激動の年と言われますが、今年もいろいろな事がありました。地学の関係はこれからで すが、琵琶湖博物館はリニューアルが始まりました。地学の関係者とのお別れが近年続いています。みなさ んどうかご自愛ください。そして、年明けに地学研究発表会でお会いしましょう。

毎年、この時期に発行を予定しています。お知らせしたい内容などありましたら、原稿をお送りください。 


滋賀県草津市下物町1091琵琶湖博物館 地学研究室内
(c) 地学研究発表会 after1997
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