ニューズレターNo.33 (2015年12月発行)
寒さが厳しいこのごろみなさんお元気でしょうか?
恒例となりました地学研究発表会の募集をいたします.1年間の調査や研究の成果,これまでのまとめなどお気軽に発表してください.
第31回 地学研究発表会のご案内
冬の研究発表会は滋賀大学と共催で,例年どおり開催いたします.今年の開催日は例年よりちょっと遅めです.発表会の要領は以下のとおりです.多数のご参加とご発表をお待ちしております.
◆日 時:2016年2月21日(日)
午後1時30分~5時30分(予定)
◆場 所:滋賀大学大津サテライトプラザ
(JR大津駅前 日本生命大津ビル4階:大津市末広町1-1)
◆講演の申込み・講演要旨の締切:2016年2月5日(金)
*演題の申込み方法,講演要旨の書き方は,下記をご覧ください.今年度も演題と講演要旨の申込みは,同時に行います.
*その他:当日に紹介したい本や資料がありましたら,ご持参ください.
最近の調査状況や今後の研究に向けて,以前調査した内容のその後など,未公表の調査結果を、ぜひ発表してください。
【懇親会】研究発表会終了後に、大津駅前で懇親会を予定しておりますので,こちらも是非ご参加ください.
*発表会のプログラムや講演時間などの詳細は,
次号のニュースでお知らせします.
研究発表会の発表について
1)発表方法は,口頭発表でお願いします.
2)使用できる機材は,コンピューター(ウインドウズ)と液晶プロジェクターです.たくさんのメモリーを使用する画像を入れたファイルやマッキントッシュのコンピュータを使用される方はご持参ください.
3) その他の方法を希望される方はご相談ください.
4) 発表時間は,一演題15~20分程度です.正式な時間は,次のニュースレターでプログラムをお知らせします.ご希望の時間がある場合は,ご連絡ください.
講演要旨の書き方・講演の申込み方法
当日参加者に配布する講演要旨原稿を以下の要領で作成して,2月5日(金)までに送付してください.そのまま印刷いたしますので,ご注意ください.講演要旨の到着をもって,講演の申込みとさせていただきます.
講演要旨の送り先・方法
【送り先】〒525-0001 草津市下物町1091 琵琶湖博物館地学研究室あて
Fax: 077-568-4850 E-mail: chigaku@lbm.go.jp
【方法】郵送,ファックス,メールのどの方法でも結構です.
【要旨作成の例】

お知らせ
●県の石
日本地質学会が行っている事業として、各都道府県の石を提案するというものがあります。これについては、前回のニュースレターでも説明をしておりますが、実はまだ決まっていません。県の石には、鉱物、岩石、化石の各分野があり、それぞれの都道府県を代表するものであり、地域の人にとっても納得できるようなものであること、日本の地質の特徴を表しており、一般の方への地質の理解を広げることに役立つこと、などが条件として盛り込まれています。滋賀県については、里口が窓口となって、まとめて提案をお送りしましたが、現在は地質学会の中央部あたりまで審議が進んではいるようですが、まだ決定・公表の段階ではないようです。「意見をしたが、その後どうなったか?」とご心配をおかけしておりますが、もうしばらくかかりそうです。 (里口保文)
●受賞など
「県立米原高等学校地学部」
第57回学生科学賞県展(滋賀県)で、優良賞を受賞しました。研究タイトルは「太陽活動と紫外線強度の関係2」です。これにより、中央出品(日本学生科学賞中央審査への出品)に決定しました。また、「最終氷期の古環境復元」の研究発表では滋賀県で1位となり、来年の平成28年度全国高等学校総合文化祭(広島大会)に出場が決定したそうです。おめでとうございます。
「林 竜馬さん」
琵琶湖の湖底堆積物の中に含まれる花粉化石の研究など、これまでの研究成果と学会活動が評価されて、日本花粉学会の研究奨励賞を受賞されました。おめでとうございます。
ほか情報をご存じでしたら、事務局までお知らせください。(里口保文)
●滋賀大学教育学部理科教育講座の大井修吾さんから就任あいさつ
2015年4月より滋賀大学教育学部に赴任しました大井修吾と申します。昨年度までは京都大学で鉱物学を専門として、主要な鉱物の1つである Ca-Mg-Fe系の輝石の相関系について研究を行ってきました。滋賀大学では理科教育講座に所属しており、地質学に関する講義・実験・巡検などを担当しています。
これまでの研究は鉱物学に特化しており、狭く深い研究を行ってきましたが、これからは現在の"教える"という立場を利用して広い視野で研究を進めたいと思っています。またこれまでは研究とフィールドワークがほとんど絡みませんでしたが、これからは教育・研究ともに滋賀県の地質を活かせていけたらと思います。まだまだ勉強不足なところも多々ございますので、琵琶湖博物館のスタッフの方々をはじめ、皆様からいろいろなことを勉強させていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
気になる本
●「津波堆積物の科学」 藤原 治 著 東京大学出版会 4,300円(+税)
2011年にあった東北〜関東地方をおそった地震からすでに5年近くたとうとしています。この地震でもっとも注目を浴びた自然現象は津波だと思います。あれほどの規模の津波が来るとは、ほとんどの人は予想していませんでした。しかし、その数年前には、東北地方にその規模の津波がくる可能性があることが、地質学的に調べられていたことは、よく知られています。
ここ10年くらいの間に、過去の津波についての研究がかなり進展してきました。その中心的な役割を果たしているのが、過去の津波によって残された津波堆積物の研究です。地層から、過去の自然現象をどのように理解するのか?という大きな問題提起とともに、研究の歴史も含めて詳しく解説されています。地層を読み解くなんて難しい話、と感じるかもしれませんが、地層を堆積学的にみる基礎的な話も豊富で、なんといっても写真も豊富ですので、わかりやすく書かれています。値段は、まぁ一般的には厳しい金額ですが、ちょっといいところの(クリスマスとかの)ディナーを我慢して購入するくらいの価値はあると思います。
県内の博物館情報
●琵琶湖博物館
「リニューアル工事のお知らせ」
琵琶湖博物館では、来年20周年を迎えるにあたって、現在リニューアル工事中です。といっても、しまっているのは現在の環境を対象にしたC展示室と1階の水族展示です。これらは現在見ることができません。来年の7月にリニューアルオープンを行います。なお、地学関連の展示があるA展示室と、歴史関連の展示があるB展示室は開いています。予定では数年後にこれらの展示室もリニューアルを行う予定ですので、みなさんにもお世話になるかと思いますが、どうぞよろしくお願いします。
「地域の人々による展示コーナー」
琵琶湖博物館のA展示室(琵琶湖の生い立ち展示)では、みなさんが採集した標本を皆さん自身で展示をするコーナーを設けています。現在は、福井龍幸さんと小谷富士夫さんによる鉱物の展示を行っています。水族展示はしまっていますが、是非見に来てください。なお、このコーナーは湖国もぐらの会の協力で行っています。是非自分もやってみたいという方は、事務局までお問い合わせください。
- ネットページ: https://www.lbm.go.jp/
編集後記:前述にもあるように、現在の琵琶湖博物館の展示室は半分閉まっています。2016年7月までこの状態が続きますが、関係なく、地域の地学を盛り上げていきたいと思いますので、みなさんからのいろんな情報をお待ちしております(里口)。