ニュースレターNo.40(2022年12月発行)

2022年12月23日

 今年も新型コロナウィルス感染症によって,さまざまな活動が制限されているかと思います.みなさま,まずは健康第一でお過ごしでしょうか?

 今冬は,とても久しぶりに2月の地学研究発表会を実施したいと考えています.

第36回 地学研究発表会のご案内

今回の研究発表会は,久しぶりに琵琶湖博物館で開催いたします.

発表会の要領は以下のとおりです.

多数のご参加とご発表をお待ちしております.

日 時:2023年2月19日(日)

 午後1時30分~5時00分(予定)

◆場 所:琵琶湖博物館 セミナー室

◆講演の申込み・講演要旨の締切:2023年2月3日(金)

演題の申込み方法,講演要旨の書き方は,下記をご覧ください.

 今年度も演題と講演要旨の申込みは,同時に行います.

その他:当日に紹介したい本や資料がありましたら,ご持参ください.

 最近の調査状況や今後の研究に向けて,以前調査した内容のその後など,未公表の調査結果を、ぜひ発表してください。

 *懇親会:例年実施しておりますが,事務局では懇親会は予定しておりません.

発表会のプログラム・講演時間

詳細は,次号のニュースでお知らせします.


研究発表会の発表について

1)発表方法は,口頭発表でお願いします.

2)使用できる機材は,コンピュータ(ウインドウズ)と液晶プロジェクターです.

  たくさんのメモリーを使用する画像を入れたファイルやマッキントッシュのコンピュータを使用される方はご持参ください.

3) その他の方法を希望される方はご相談ください.

4) 発表時間は,一演題15~20分程度です.正式な時間は,次のニュースレターでプログラムをお知らせします.ご希望の時間がある場合は,ご連絡ください.


講演要旨の書き方・講演の申込み方法

 当日参加者に配布する講演要旨原稿を以下の要領で作成して,2月3日(金)までに送付してください.そのまま印刷いたしますので,ご注意ください.講演要旨の到着をもって,講演の申込みとさせていただきます.


講演要旨の送り先・方法

【送り先】

 〒525-0001 草津市下物町1091 琵琶湖博物館 地学研究室あて

 Fax: 077-568-4850,  E-mail: chigaku○biwahaku.jp(○を@にしてください)

【方法】

 郵送,ファックス,メール,どの方法でも結構です.

【要旨作成の例】

講演要旨の様式例
講演要旨の様式例

気になる本

●『ナウマンゾウ研究百年』 琵琶湖博物館研究調査報告 35号

高橋啓一ほか 著, 滋賀県立琵琶湖博物館(2022,309pp)

 これまでのナウマンゾウ研究の総説的論文です。標本の所蔵情報や膨大な研究のまとめ、文献リストなどかなり充実した内容です。これから研究しようとする人やナウマンゾウ研究の現在の到達点を知るために、とてもよい道しるべになることと思います。本報告は一般販売はしていませんが、琵琶湖博物館のwebページのほか、J-STAGEでも公開しています。(里口保文)

https://www.biwahaku.jp/publication/investigation/

https://www.jstage.jst.go.jp/browse/rrlbm/35/0/_contents/-char/ja


●『山火事と地球の進化』

アンドルー・C・スコット 著,  河出書房新社,2,900円+税(2022,262 pp,ISBN978-4-309-25454-8)

 本書では、「山火事と地球史」という一見関連がないように思われる両者の関係性について、著者が続けてきた長年の研究成果を中心に、ダイナミックな時空間スケールで論じられている。最近では、世界中のさまざまな地域からの火災のニュースを目にすることが多い。しかし、現在よりも大規模な火事が地球史の中でも頻繁に発生していたことや、そのような火事が植物の進化や現在の植生分布にも大きく影響を及ぼしてきたことを正しく認識している研究者は少ないのではないだろうか。本書は全8章からなっており、特定の地質時代にとらわれずに、古生代から中生代、新生代にかけての、火事と植物の関係史を長期的な視野からうかがい知ることができる。なお、本書の内容を中心とした企画展「ワイルド・ファイヤー:火の自然史」が、国立科学博物館において2022年11月から2023年2月まで開催されている。(林 竜馬)


●『琵琶湖の森の40万年史』 琵琶湖博物館ブックレット16

 林 竜馬 著,  サンライズ出版,1800円+税(2022,112pp,ISBN978-4-88325-773-7)

 琵琶湖博物館ブックレットシリーズの最新号です。堆積物に残されている花粉化石の研究史概要やその役割が、美しい花粉写真や図によって紹介されている。特に注目すべきは、過去100年、1万年スケールでの森の変化と人間活動の解説がされている点である。人間による森利用の歴史を考える上で重要であろう。また、本書のタイトルにある40万年のスケールでみた森は、地球環境における気候変動の影響を受けてどのように変化してきたのかを知る事ができる。このように、豊富な図・写真とわかりやすい文による本書は、読み物としても楽しめるものであり、ちょっと興味があるという人から詳しく知りたい人にまでお勧めしたい。(里口保文)


県内の博物館情報

●みなくち子どもの森自然館

 元館長である新保建志さんが収集された化石を展示しています。北海道・岩手・宮城・新潟・富山・石川・福井・岐阜・静岡・滋賀・京都・大阪・和歌山・岡山・山口・徳島・高知・熊本・宮崎と、採集地は全国各地です。これに国外のものを含めて、135点の化石がそろいました。これらを、古生代・中生代・新生代の示準化石と、温かい海・冷たい海の示相化石をテーマに展示しています。


●多賀町立博物館

 シガタガゾウのアート展

「アケボノゾウを自由に表現しよう」をテーマに作家と公募による作品展を実施. 

  •  応募期間:令和5年2月13日〜2月19日
  •  展示期間:令和5年3月18日〜4月9日
  •  会場:あけぼのパーク多賀・多賀町中央公民館「多賀結いの森」
  •  問い合わせ 多賀町立博物館 0749-48-2077
  •  シガタガゾウのサト祭り実行委員会 https://shigatagazou.com

〒522-0314 滋賀県犬上郡多賀町四手976-2

URL:https://www.town.taga.lg.jp/akebono/museum/


●琵琶湖博物館

 「地域の人びとによる展示『夏休み大人の自由研究(化石編)これはきっと○○の○○に違いない』」

 古琵琶湖層群から産出した「ふん化石」と思われる標本を中心に、飯村強さんが採集した古琵琶湖層群の化石を紹介します。


追悼

石田志朗先生のご逝去

 石田志朗先生が,2022年5月19日にご逝去されました.享年92歳でした.

 2019年1月に体調を崩された後,入退院をされていましたが,自宅でのリハビリやご家族の看護も虚しく,穏やかに眠りにつかれました.石田先生は京都大学,山口大学で35年間教鞭を取られた後,JICA海外派遣でケニア赴任,帰国後は山陰ジオパークや京都府・市の文化財に関わる委員や琵琶湖博物館の研究協力員をされておりました.石田先生は近畿,東海を中心に中部,北陸,中国地方にかけて,新第三系および第四系の層序・地質学的研究をはじめ,考古学における堆積学・古環境学で大きな業績を残されています.また,古生物学分野では古植物学で中新統Noto Floraの研究や,ゾウやワニ化石の発掘調査等にも貢献されています.

 先生は体調を崩される直前2018年10月28日まで,滋賀県高島市安曇川や雄琴周辺の地質調査をされており,生涯フィールド調査に情熱を注ぎ,新知見を得ることに努力を積み重ねていらっしゃいました.「地学研究発表会」にも毎年参加されており,近年コロナ禍で中止していたのが、今回再開する方向となったわけですが、先生のお姿を見ることができないのが、本当に残念です。ご冥福をお祈りいたします。 

(琵琶湖博物館 山川)


編集後記:長年続いている新型感染症対策も社会的には少しずつ緩和させる方向にあり、琵琶湖博物館も事前予約なしで来館いただけるようになりました。とはいえ、まだ対策は必要です。地学研究室には前述の山川さんの文章のとおり石田志朗さんはもう来られなくなり、時代が変わっていることを実感させられています。来年には、久しぶりの地学研究発表会が開催できることを願い、また、みなさんにとって良い年になりますように、どうか年末年始ご自愛ください。(里口)

滋賀県草津市下物町1091琵琶湖博物館 地学研究室内
(c) 地学研究発表会 after1997
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