ニュースレターNo.39 (2022年1月発行)
新年明けましておめでとうございます。ニューズレターの送付が遅くなりお詫び申し上げます。本年こそは、コロナを乗り越えた新たな年となり、みなさまの調査研究がますますの進展を見せることを祈願しております。
本年度の地学研究発表会は、ぜひとも開催したいと考えて地学研究室で計画をしていたのですが、コロナウィルス感染の第6波に重なってしまいました。大変残念ですが、本年度も地学研究発表会は中止とさせていただきます。引き続き、次の発表会の機会に向けて調査研究を進めていただく期間としていただきたいと思います。
第36回 地学研究発表会は中止します.
これまで継続してきた研究発表会ですが,現在の第6波となっている新型コロナウィルス感染者数の増加に伴い,中止することにしました.
大変残念ではありますが,無理をせず,コロナ禍が去ってから,安心して再開したいと思います.
その機会がくるまで,これまでの調査や活動をまとめ,標本の整理に勤しんでいただけたらと思います.ご理解のほど,どうぞよろしくお願いします.
〜お知らせ〜
●【アケボノゾウ化石多賀標本】天然記念物の指定が答申されました
多賀町立博物館で展示もされている、アケボノゾウ化石標本が国の天然記念物に指定される見 込になりました。2021 年 12 月に、「アケボノゾウ化石多賀標本」を国指定の天然記念物にするよ う国の文化審議会において文部科学大臣へ答申がありました。部位の多さや保存状態の良さな ど、学術的価値が評価され、ゾウの化石の天然記念物指定は国内初となります。
多賀町立博物館のホームページ(https://www.town.taga.lg.jp/akebono/museum/)に、詳細な情報 が掲載されています。
〜気になる本〜
『ミニガイド No.34 砂浜の砂をのぞいてみたら』
長年いろいろな場所で砂を集めてきた協力者を含む著者らの集大成ともいえる。砂にそんな違 いがあるの?と思う人はこの冊子を見てみれば、その多様さに驚くでしょう。なんといっても顕 微鏡写真がきれいで、これを見ているだけでも十分楽しめる。鉱物の実体顕微鏡写真もついているので、火山灰の鉱物同定にも役立ちます。大阪市立自然史博物館のショップで購入可能です (https://omnh-shop.ocnk.net/product/1917)。在庫はあと少ししかないようなのでお早めに。 (里口)
『チバニアン誕生』
岡田誠 著 ポプラ社 1,650 円(税込)
地質時代に日本の地名がついた唯一の時代「チバニアン」の基準地の提案をしたチーム代表の岡 田さんが、子ども達が読めるように柔らかい雰囲気で書かれたチバニアンの提案ストーリーを含 むチバニアンの解説本です。子ども向けといいつつ、中身はけっこう濃く、チバニアンってよく わからないというおとなの方にこそ読んでもらいたい本です。個人的には、岡田さんの研究者に なるまでの話などは興味深かったです。(里口)
『特別展「植物 地球を支える仲間たち」公式ガイドブック』
國府方吾郎・三村徹郎 監修 NHK・NHK プロモーション・朝日新聞社 2,200 円(税込)
国立科学博物館で開催された、特別展「植物 地球を支える仲間たち」のガイドブックです。 最大から最小まで、古代から現代までの、多様な植物の魅力について、豊富な写真を用いてわか りやすく紹介されています。植物化石研究を基にした、陸上植物の進化や植生復元についての解説と図版は一見の価値ありです。はずかしながら、林も古生物学の研究者紹介ページに寄稿しま した。本企画展は 1 月 14 日〜4 月 3 日まで、大阪自然史博物館で開催されています。(林)
〜県内の博物館情報〜
●琵琶湖博物館
【オンライン】新琵琶湖学セミナー
「琵琶湖の三大問題-深呼吸・水草・外来種は今どうなっている?」(全 3 回)
琵琶湖が抱える 3 つの問題について、近年明らかになった知見に基づき、詳しく解説します。
- ●第1回 2022年1月22日(土):どうなる?琵琶湖の「深呼吸」
- ●第2回 2022年2月26日(土):琵琶湖の水草は増えすぎなのか?
- ●第3回 2022年3月26日(土):解決できるか?外来種問題
講演内容は、新型感染症の社会状況によって変更または中止の場合があります。いずれの日も、13 時 30 分〜15 時 50 分開催、高校生以上対象で、各講師のタイトルなどの詳細はホームページをご覧 ください(https://www.biwahaku.jp/event/)。各回申し込みが必要(しがネット受付)
編集後記:本年も、コロナウィルス感染症対策に悩まされた 1 年でした。ですが、暗いニュースばかりでは ありません。地学研究室には、4 月から県の森林政策課から美濃部諭子さんが入室され、ドローンを用いた 調査を共同で開始しています。また、本年はコロナ関連の緊急雇用として 3 名の資料整理スタッフが新たに 参加いただき、資料整理活動が精力的に進んでいます。ご支援、ご協力のほど、よろしくお願いします。